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環境にやさしく、お客様の健康に寄り添う憩いの場「らくち~の」

朝日町環境ふれあい施設らくち~の(以降、らくち~の)は、あさひ舟川「春の四重奏」でお馴染みの舟川沿いに位置する温浴施設で、大浴場や岩盤浴、温水プール、フィットネスなどを備えた幅広い年齢層に愛されている多目的施設です。
今回はらくち~のを運営する(有)朝日ふるさと創造社の増田紀道支配人に話を伺いました。

増田支配人

あさひふるさと創造社とらくち~のについて教えてください。

らくち~のは町が整備して平成12年4月にオープンした施設になります。なので、朝日町が所有する施設にはなるのですが、あさひふるさと創造社がらくち~のの指定管理者として町から指定され、管理委託を受けることにより、現在私たちが運営しています。

館内についてご紹介すると、お風呂や岩盤浴、プール、フィットネスジム、食事処、宴会場などさまざまな用途でご利用できる、大人から子供までが楽しめる多目的施設です。

露天風呂からの風景


確かに親子三世代の方々でご利用されているのをよくお見かけするような気がしますね。

はい。お風呂でのご利用はもちろん、ご家族やご友人、地区での集まりごとなどの際の、食事会としてのご利用が多い印象ですね。プールでは、現在スイミングスクールに3歳から中学生までで約450人が通っておられたり、大人も水中でのウォーキング等、インストラクターから指導を受けられたりと定期的にご利用いただくお客様も多いですね。また、町から委託されている介護予防教室等の運動指導では、ご高齢の方や、その中でも一人暮らしの方で移動手段がない方でもバスで送迎して利用していただくこともあります。

さまざまな用途で利用できるので、来館者数も多いと感じますか?

来館者数は、平日であれば1日に400~500人、土日祝日だと700~800人ほどでしょうか。年齢層はかなり広いと思います。

開館から長くご利用され、愛される秘訣は何だと思いますか?

らくち~のでは、地域密着型の施設としてまごころを込めて接客し、皆さまが笑って過ごせるような憩いの場所を目指し、できるだけお客様との距離を近くすることを心がけています。例えば一人暮らしで、定期的に運動に来られる方でも、たまに外出されるのが億劫になることもありますよね。そんな時にお茶のみに来るだけでもいいからと誘って、来ていただき、楽しんで帰ってもらうこともあります。家にいたら、一人でさみしく過ごしている方でも、結果的にらくち~のにお越しいただき、お知り合いの方などとふれあい、帰り際に「楽しかったよ~、ありがとう」と声をかけてくれると嬉しい気持ちになりますし、楽しい時間を過ごしていただけてよかったなと、感じます。このように人と人との距離を近くとり、一人でも多くの方に、楽しく、明るい気持ちになっていただける、皆さんにとってのよりどころでありたいと思っています。

インストラクターによるスイミング指導の様子

これまでは環境ふれあい施設の「ふれあい」について、お聞きしてきましたが、これからは「環境」についてお聞きします。
らくち~のでは隣接するごみ焼却施設エコぽ~と(以下、エコぽ~と)で、ごみを焼却した際に発生する熱をお風呂などに利用しているとのことですが、詳しく教えていただけますか?

はい。らくち~のは開館当初から、エコぽ~ととの熱エネルギーを活用して運営しています。具体的には、ごみを焼却する時に、その熱で焼却炉が高温になります。その炉を冷やす際に冷却水が用いられるのですが、その際に混ざりあうことで約80度前後の温水が生成されます。その冷却水をこちら側で熱交換し、その温水を熱源として管内の大浴場や温水プール、冷暖房、床暖房などで活用しています。



エコぽ~と
エコぽ~とからの熱源がお風呂やプール、暖房等に振り分けられる配管


冷房にも熱源が活用されているのは知らなかったです。複合施設ということで、1日に使用するエネルギー量は相当の量だと思うのですが・・・?

数値でのエネルギー量は把握できていないのですが、エコぽ~とは平日営業で、土日は稼働しておらず、熱源の提供を受けることができません。その際は、灯油を燃やすことで熱源に替えているのですが、その量は1日約1,500㍑も使用することになります。なので、平日の営業日数×灯油量の分は使わずに済んでいるということになりますね。


1日約1,500㍑もの灯油が必要だなんて・・・驚きでした。しかし、エコぽ~との熱エネルギーを活用することで、使われずに済む灯油量もかなりの量なので、まさに、「環境にやさしい」を体現しておられますね。
その他に環境に配慮した取組などはあるのでしょうか?

その他では、駐車場に風力発電があったり、厨房での食材調達などでしょうか。
風力発電は、駐車場の主要な2つの街灯に取り付けられており、プロペラとバッテリーが付けられています。主に日中の風で集めたエネルギーをバッテリーに蓄電し、夜になると明かりを照らします。

風力発電機。夜になると日中に蓄電した電力で明かりを照らす。


風力発電の存在は正直知らなかったです(笑)。厨房での食材調達については、どのようなことに取り組んでおられるのでしょうか?

風力発電は知らない方も多いですよね(笑)。食事処で提供するお食事については、町内で採れたお米や野菜を直接農家から仕入れたものを取り入れています。お米は年中で、収穫時期的にネギや玉ねぎなどはスポット的にですね。逆に農家さんからお声かけしていただくことも多く、調達に困ることなく助けられています。また、それらを調理する際に、余ってしまったものは、別の小鉢の料理に活用したり、地場産のものを仕入れる際はできるだけ使い切れる量としたりなど、「残さない」ことを目標に取り組んでいます。
なので、まず一つは地産地消という点、そしてもう一つはフードロスといったところでしょうか。


地元特産品販売コーナー


地域密着型として、住民に寄り添い、環境にも、人にもやさしいらくち~のであるからこそ、利用者の方に愛されているのですね。
余談になるのですが、サウナ好きの知人から「らくち~のの水風呂は冷たくて気持ちよい」と聞いたことがあります。そのあたり、反響はあるのでしょうか?

好評だということはちらほら聞いています。その理由としては、これらの水は全て地下からくみ上げた地下水であり、100%かけ流しの状態なので、ミネラル豊富です。加えてそのおかげもあり、年中一定の温度で提供できていることが、皆さんから好評をいただけているのかなと、思っています。いわゆる「ととのう」にはもってこいの水風呂ですね(笑)。

SDGsに関連して今後取り組んでいきたいことはありますか?

新しく何かを、というものはまだ考えていませんが、引き続き地域密着型として、食事の提供に欠かせない地元生産者の方とのつながりを大切にしていくと同時に、人に寄り添いながら健康に密着した施設を目指し、お風呂、プール、フィットネスなどをたくさんの方にご活用いただき、人とのつながりが広がる、そして健康が維持できる、そんな施設でありたいと思います。

小さい町だからこその強みが行かされている、そんな施設だと感じることができました。話を聞いていて、今すぐにでもお風呂に入って、サウナに入って、おいしいご飯を食べたくなりました(笑)。
らくち~のの取組は、SDGs目標の「3.すべての人に健康と福祉を」、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「12.つくる責任つかう責任」、「13.気候変動に具体的な対策を」に該当します。
今回は、多種にわたるSDGsへの取組について、お話しいただきありがとうございました。



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