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余った食材で「もったいない」を「おいしい」に


SDGsの目標にも掲げられているフードロスの削減。
食材を「買いすぎない」「使い切る」「食べきる」という3つのポイントを一人ひとりが意識することで、フードロスの削減に繋がります。

朝日町の愛場商店さんでは、魚のアラを使用した魚醤(ぎょしょう)を作るなどして、余った食材を使い切る工夫によってSDGsに繋がる取り組みをされています。
今回は朝日町燻製加工室にて商品づくりをする、愛場商店の愛場さんご夫妻にお話を伺ってきました。

地元の海の幸で加工品づくりをされている愛場商店
亮さん・千恵子さんご夫妻

-まず魚醤を作ってみようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

亮さん:魚の内臓とか頭であっても、地元の鮮度抜群の魚であることには変わりないのに、捨ててしまうのはもったいないと思ったからです。

-作る工程がなかなか大変そうだなと思ったのですが、完成するまでにろ過は何回するんですか。

千恵子さん:1回目は粗めのザルで骨などをこして、2回目は晒しで細かくして、3回目にペーパー。計3回ですね。

亮さん:魚の頭と内臓と塩しか入っていないのに1年半寝かせるだけで、旨味が凝縮される。昔の人の知恵はすごいですよね。

-この魚醤の中には何の魚が入っていますか。

千恵子さん:サバがほとんどですね。サバやイワシ、足がちぎれてしまったりして売り物にならないホタルイカとか。

亮さん:新鮮なものならなんでも入れてますよ。

-大豆からつくられる醤油と異なる部分はどういったところでしょうか。

亮さん:やっぱり旨味が違います。魚醤は調味料で言うと、イタリア料理のアンチョビに近いです。
あとはこの魚醤を使って塩辛も作っています。酵素がいきているから、美味しく浸かるんですよ。

千恵子さん:あとはイカの魚醤干しも作っています。肝付きのイカに魚醤で味付けて、それを干物にして、肝ごと焼いて食べることができる商品になってます。


-他に余った食材から今後商品化していきたいものはありますか。

亮さん:猫用の魚ジャーキーかな。シャケやフクラギ、アジで作ってみたけど、今のところうちの猫にはアジが一番好評です。


亮さん:うちのものは無添加で人間も食べられるから「飼い主と一緒に楽しめるジャーキー」として販売できたらいいですね。

あとは新鮮なアジの骨を真空にして、骨せんべいとしておまけに渡しているけど、喜ばれていますよ。
特に骨は何の魚を使ってもすごくいい出汁が取れますから。

-普段は何の魚から出汁をとっているんですか。

亮さん:そのとき捌いた魚なら何でも使っています。まずできることは何でも一通りやってみる。こんなにおいしい出汁が出るのに、本当にもったいないと思う。

サゴシの出汁
旨味が詰まっていて美味しい


亮さん:
もったいない精神で、魚の頭とかも綺麗に掃除して、お客さんにおまけでつけたりもしています。

千恵子さん:魚の頭はあら汁に使ったり、大きいものだったら塩焼きにして食べることもできます。まるごと使って欲しいですからね。

-食材を余すことなく工夫して調理されているところに、お魚の命に対しての愛を感じました。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。


愛場商店 ホームページ


-あと余談なんですけど、愛場商店さんのロゴって何のマークなんだろうと気になっていたのですが…

愛場商店さんのロゴ

亮さん:奥さんの実家が愛場商店という雑貨屋さんみたいなものを昔に営んでいて。

千恵子さん:実家の片付けをしていたら、このうちわが大量に出てきたんです。たしか私が子どもの頃、履き物とか色々と売っているお店をやっていたんですよ。

亮さん:それからお店の屋号を決めるときに、私はこのうちわが些か渋くて気に入ったもので。食べ物を作るところだから、うちわの形をベースにお皿とお箸に見えるようなロゴにしました。

-うちわの形をしたお皿とお箸だったんですね!印象に残る素敵なロゴだと思います。
改めてありがとうございました。

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