築100年の古民家をリノベーション! ゲストハウスで非日常の体験を
今回は、昨年12月に富山県朝日町の笹川で『ゲストハウス又三郎(またさぶさ)』を開業し、日本舞踊の師範としても活動をされている竹内ひかりさんにお話を伺いました。
竹内さんは朝日町の笹川で生まれ育ち、一度地元を離れた後、朝日町にUターンして来られました。そんな竹内さんは、学生時代から日本舞踊を習っており、家元制度のライセンスは師範になります。ゲストハウスでは、竹内さんによる日本舞踊や着物、浴衣の着付けを体験することができます。
笹川という自然豊かな土地でゲストハウスを
笹川にある築100年の古民家には元々、一人暮らしのおばあちゃんが住んでいました。おばあちゃんが亡くなられた際に、持ち主の息子さんが古民家を取り壊そうとしていると聞き、この伝統的で立派な古民家を活かして何かできることがあるのではないかと思い、譲っていただきました。
父が1階部分をDIYで綺麗にしてくれたのを機に、日本舞踊の稽古場として1階部分を利用していましたが、個人での使用のみでは金銭的価値が生まれず有効活用できていないと思い、改めてこの古民家の有効活用方法を考えました。私自身小さいころから日本舞踊を習っていたのでその踊りも活かせる点と、着物の着付けもできたので、これらを活かせる体験型ゲストハウスができればいいよねという話に家族間でなり、全国的にも珍しい体験型ゲストハウスをすることにしました。
その後、補助金等を活用し、1階と2階部分の改修を行い、昨年12月に体験型ゲストハウスという位置付けで『ゲストハウス又三郎』を開業しました。
ゲストハウス又三郎の概要について教えてください。
又三郎は1日1組限定の1棟貸しゲストハウスで、家主滞在型となっております。お部屋は1階と2階にそれぞれ1部屋ずつあり、部屋の雰囲気も異なります。2部屋あるので、3世代の家族別や男女でお部屋を分けてご宿泊されるお客様もいらっしゃいます。
町内にある飲食店でお食事を済まされてから来られる方や、スーパーやテイクアウトできる飲食店で何か買ってきて泊まられる方が多いです。又三郎には町内の飲食店が載っているパンフレットがあるので、それを参考に外食される方や、オススメを聞いてこられるお客様も多いので、朝日町の飲食店をジャンル別にお伝えしています。
1階と2階のお部屋それぞれのこだわりポイントを教えてください。
1階はあまり原型を変えずに元の良さを残して改修し、2階は梁を主張できるお部屋にしました。
1階は和の空間、2階は和と洋が合わさった素敵な空間になっていますね。梁と白色の壁が絶妙にマッチしていて、シンプルな雰囲気がありつつ自然の温もりを感じる美しい空間だと感じました。
ゲストハウスを始めて約8カ月が経ちましたが、宿泊状況はどうですか?
思っていた以上に順調で、自分でも驚いています。
宿泊された方々に「どうしてうちのゲストハウスに泊まりに来たのですか?」と聞くと、金沢から長野に行く際や長野から金沢に行く中継地点の宿泊場所として泊まられる方が多かったです。
朝日町を中継地点として利用されているのは驚きました。なにか朝日町に目的があって泊まられる方のほうが多いのかと、、、
時期にもよりますが、朝日町にホタルイカを獲りに来られたり、釣りをしたりする目的で宿泊される方もいます。日本人の方だけでなく外国人の方の宿泊客も大勢泊まりに来られます。先日、宿泊された外国人の方はクラッシックなおうちに泊まりたいということで、こちらを選んでくれました。
外国人の方は昔ながらの古い家に泊まりたいという人が意外と多く、泊まられた皆さんには大変喜ばれます。宿泊客の割合は、日本人の方と外国人の方半々です。男女比率もどちらが多いというわけではなく、半々ぐらいです。
ゲストハウスの名前にもなっている『又三郎』。読み方は「またさぶろう」ではなく「またさぶさ」と読まれるということで特殊な読み方だと思ったのですが、どこからこの名前を取ってきたのですか?
笹川地区では家ごとに屋号があって、この家の屋号が「又三郎(またさぶさ)」になります。笹川に住んでいる人は屋号を聞いたら、どの家かわかるので、屋号をゲストハウスの名前にすれば笹川に住んでいる人にも馴染みやすいと思い、屋号を後ろに付けて『ゲストハウス又三郎』と名付けました。
屋号は珍しいですね。筆者は朝日町に移住してから初めて聞きました。体験型ゲストハウスということで『又三郎』ではどんな体験をすることができますか?
又三郎では日本舞踊の体験と鑑賞、着物や浴衣のレンタルをすることができます。これらの体験は、宿泊されていない方でも体験することができます。また、又三郎周辺では、ヨガ体験や陶芸体験もすることができます。
非日常の空間で普段できない体験ができるのは良い思い出になりそうですね。竹内さんは日本舞踊の師範ということですが、いつから始められたのですか?
踊りは中学2年生の時にNHKの番組でやっていたのを観て、私もやってみたいと思ってやり始めたのがきっかけです。多分、三味線の音が好きだったのかもしれないです。日本舞踊をやる際は、「西川扇京梅」という名前で活動しています。
活動としては又三郎での日本舞踊体験の先生や公民館事業のひとつとして日本舞踊を教えています。
『ゲストハウス又三郎』の今後について教えてください。
最近は朝日町も民泊が増えて『又三郎』を含めて3軒となりました。民泊にも種類があって、「家主居住型」と「家主不在型」に分けられます。現在は家主居住型で私と父と母の3人で宿泊客の性別に合わせてローテーションで運営しているのですが、いずれは家主不在型でやっていこうと考えています。
あとはゲストハウスの運営と日本舞踊の活動以外で、他にも何かできないか模索しているところです。
この活動は、SDGsの目標である「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「15.陸の豊かさも守ろう」に繋がります。
古民家を再利用することは、日本の伝統的文化を未来に継承していく1つの手段だと思います。昨今、空き家が増え続ける中で空き家を利活用してゲストハウスを開業された竹内さんの姿はとても素敵だと思いました。
そんな『ゲストハウス又三郎』は日本文化を体験できる素晴らしいゲストハウスでインテリアなど細かい部分にまでこだわりを感じました。
お話を聞く中で、宿泊客が絶えず、民泊検索サイト「Airbnb」の評価が高いのは、竹内さんの人柄の良さが一番の理由だと感じました。
私も友人が朝日町に泊まりに来た際は、ぜひ又三郎を勧めたいと思います!
▶公式サイトはこちらから
ゲストハウス又三郎 | 古民家 | 富山家下新川郡朝日町笹川 (matasabusa.com)
▶予約サイトはこちらから
(予約方法はAirbnbのみで承っています。)
1日1組限定 築100年の古民家を改装した伝統的な家で,日本文化を体験できる宿【ゲストハウス又三郎】 - 借りられる一軒家 - Asahi, Shimoniikawa District, Toyama, 日本 - Airbnb
▶公式Instagramはこちらから
Guest house 又三郎(matasabusa)(@matasabusa) • Instagram写真と動画