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「柔軟な思考で、興味があれば動く!」 持続可能な農業の担い手として輝く地域おこし協力隊

朝日町では農業の担い手不足問題を解消するため、全国から農業振興分野の地域おこし協力隊を募っており、農業の担い手育成に取り組んでいます。また、就農希望者への手厚いサポートも充実しているのが魅力のひとつです。
あさひ農学舎では「農業をやってみたい、農業を生業に暮らしたい」そんな思いを持った人たちが集まり、農業振興分野の地域おこし協力隊として活動しています。農業を学びながら住居や車、生活費などのサポートが最大3年間受けられるため、新規で農業を始めたい方にとってはとても魅力的な制度になります。

今回は昨年5月からあさひ農学舎で活動している松崎さんに、朝日町を選んだ理由、農業を始めようと思ったきっかけ、日々の活動内容など詳しくお話を伺ってきました。

素敵な笑顔で出迎えてくださった
農業振興分野の地域おこし協力隊 松崎さん


今日は松崎さんの日々の活動や、朝日町を選んだきっかけなど、詳しくお話をお聞かせいただければと思います。
松崎さんはご出身が富山なんでしたっけ?

そうです。出身は富山県で、富山市内の高校を卒業して専門学校に行くために東京へ上京しました。なので富山県に戻ってくるのは、30年ぶりになります。25歳くらいの時に10ヶ月程戻ってきたことがあったんですけど、その当時は「やっぱり田舎はつまらない」と思って、またすぐに東京に戻ってしまいました。

こちらに戻ってくるきっかけは何かあったのでしょうか

きっかけは、1年半ぐらい前に農業をやってみたいなという思いがあって。
その農業というのも、ブルーベリーの観光農園を作りたいなという具体的な考えがありました。

それまで編集ライターの仕事をしていて農業のことは何も分からなかったので、まずどうすれば良いんだろうと思ってインターネットで色々と調べてみました。そうしたら東京で「新・農業人フェア」というイベントがあったんですね。まずはそういうところに行って情報を得てみようと思って行ったら、朝日町の農林水産課のブースがあり、そこで地域おこし協力隊のことを知りました。担当の方とお話しをして、移住した際には住まいや車を貸していただけたり、農業を学びながらもお給料がいただけたりするなど自分のやりたいことをサポートしてくれる制度が魅力的だなと思って朝日町に来ました。

そういった経緯があったのですね。そのイベントに参加した後、すぐに朝日町に移住されたのですか?

そのイベントがあったのが一昨年の1月29日だったんですが、移住する前に実際に農業でこの先やっていけるかなどのマッチングも兼ねて事前体験として一度朝日町に来たのが3月でした。
わたし自身興味があるのがブルーベリーだったので朝日町でもブルーベリーを栽培しているクリーンみず穂さんで3日間ほどお手伝いさせていただきました。

そこで良いなと思って移住を決めたのでしょうか?

そうですね。私はやっぱり外で動いているのが好きで、植物に触れたりするのも好きなのでずっと社内で一日でデスクワークしているよりは、楽しいし、おもしろいなと思いました。

ちなみに農業にも色々あると思うんですけど、何故ブルーベリー観光農園をやりたいという思いに至ったのですか?

単純に新鮮なブルーベリーを食べた時にすごく美味しかったんです。でもフレッシュベリーって結構高いし、だったら自分で作れたら良いなと。
あとは編集の仕事をしていた時に知り合った方から、「ブルーベリー農園をやっている」という話を聞いて、本業の仕事を持ちながら農園ってできるものなんだと思い、そこから興味を持ちました。

すごい。そこから行動に移しているのがかっこいいですね。
ちなみにクリーンみず穂さんでは、ブルーベリーだけではなく様々な農作物を育てていますよね。

一番のメインはお米なんですが、他には大豆や里芋、ブルーベリーの他に柿も出荷しています。

日々の協力隊の活動としては、クリーンみず穂さんでお仕事をしているのでしょうか。

はい、平日はクリーンみず穂さんに行って、スタッフの皆さんと一緒に農作業をやっています。

ちなみに冬の期間は、農家さんってどういった作業をされているのでしょうか?

今年は昨年末に収穫した里芋の選別と出荷。あとは柿の木の剪定を先輩に教わりながらやりました。

勤務時間は決まっているんですか?

フルタイムで8時から17時まで活動しています。でも今後、自分が目指すブルーベリー農園のことにもう少し注力したいので多少時間の変更はあるかもしれません。

活動の中で「この作業が楽しかったな」みたいな、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

やはり収穫できると楽しいですよね。あとは枝をパチッパチッと切っていく剪定の作業も好きです。じつは盆栽が趣味なので。

農学舎入口に飾られている
素敵な盆栽


水稲って大型車を運転できないと難しいのかなと思っていたのですが、そういった作業を任されることはありますか?

私がトラクターなどの大型機械を動かすことは今のところないと思うのですが、今後自分で独立して作業する時に、あった方がいいかもしれないなと思ったので、冬の農閑期に大型特殊免許を取得しました。

それは協力隊の活動費で取得することができるのでしょうか

半額をサポートをしていただけました。

それは嬉しいサポートですね。
いま農学舎にて他の協力隊の方と共同生活をされていると聞いていますが、実際共同生活はどうですか?

いま入居者は5人です。共同生活と言っても各部屋にはキッチンやお風呂もあって普通のアパートのような感じです。でも共有のキッチンやリビングがあるので、会えばおしゃべりするし、分からないこととかも聞いたりできるので程よい距離感で生活できていると思います。

住居棟の隣に加工室があるそうですが、あそこは使われたりしていますか?

実はまだそんなに使えていないんですが、冬の期間は収穫した里芋を使ってコロッケの試作品を作りました。サイズが小さかったり形が悪かったりして出荷できない里芋があるんですが、廃棄するのはもったいない。そういった作物を使って加工品を作る、それこそSDGsに繋がると思うんです。今年の冬はまだ商品化までできなかったんですけど、加工室をもっと活用して、実際に売れるものを作っていけたらなと考えています。

試作中の里芋コロッケ


農作業って力仕事が多いと思うんですけど、「慣れるまで大変だったな」みたいな苦労話があれば教えてください。

もともと腰痛持ちではあるんですが、作業によってはさらに追い討ちをかけてきますね(笑)。
この仕事を始めるまでは、農作業って身体を使うから運動にもなるだろうなと思っていましたが、農作業って同じ作業をひたすら続けたりすることも多く、ずっと中腰とか、ひたすら右手だけ使うなんてこともあって左右の身体のバランスが取れていないなあと感じたときは、「らくちーの」のプールで泳いだり、自転車に乗ったり、農作業以外で身体を動かす機会を作るようにしています。

退任後に目標としているブルーベリー観光農園について教えていただけますか?

観光農園をやりたい理由のひとつとして、来てくれたお客さんが「美味しい」って喜んでいる顔を見たいのと、やっぱり自分の作った作物がどんな方に届いているのか知りたいですよね。笑顔が見られればそれは自分の仕事のモチベーションアップにも繋がる。生産者と消費者もお互い顔が見えていた方が安心できると思うんです。摘み取りができる観光農園だと農業に加えてサービス業の部分もあります。朝日町で「農業+観光」みたいなことも将来できたらいいなと考えています。

最後に、これから「農学舎で学びたい」と考えている方に向けて一言アドバイスがあればお願いします。

ちょっとでも「農業をやってみたいな」という気持ちがあるなら、ぜひ動いてみて欲しいです。やってみないとそれが自分に合うかどうか分からない。今は知りたいことがあればネットでもyoutubeでも調べれば何でも情報を得られる時代ですが、やっぱり頭の中だけで考えていることと実際の現場は違うと私自身も実感しました。農業って天候や環境によっても大きく左右される仕事なので、そのあたりも含めて柔軟に動いていけたらいいんじゃないかなと思います。

松崎さんが日々充実した活動をされている様子が伝わってきて、お話を聞いていてワクワクしました。お話を聞かせていただきありがとうございます!退任後のブルーベリー観光農園、とても楽しみにしています!


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