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空き家と人を繋いで住み続けられるまちづくりを


朝日町だけではなく全国的な社会問題となっている「空き家」。

SDGsが掲げる目標「11.住み続けられるまちづくりを」の実現に向けて、空き家の活用が重要な課題となってきます。

あいの風とやま鉄道 泊駅前に位置している「こすぎ家」を拠点とするNPO法人コクリエでは、移住相談窓口としての役割だけではなく、空き家バンクの運営など様々な移住促進に関わる役割を担い、空き家問題に向き合っています。

今回はそのNPO法人コクリエ代表の善田さんに、お話を伺ってきました。

NPO法人コクリエ代表 善田さん


-まずコクリエの主な事業内容について教えてください。

善田:実際にメインとなるのは、町から受託している「移住定住推進業務」になります。

受託しているのが、
・移住及び定住促進に関わる業務
・空き家バンクの情報提供に関わる業務
・住居及び就業紹介業務

この三本柱がメインの業務になっています。

-移住定住の促進業務というのは具体的にどういった活動になりますか。

善田:情報発信や移住ツアーの受け入れ、移住相談の受け入れなど、ざっくりいうと移住相談窓口業務ですね。
あとは住居及び就業紹介とあるけれど、空き家や空き地バンクの運営がかなり大きな柱になっています。

-どこから情報を得て、問い合わせをしてくる方が多いのでしょうか。

善田:空き家バンクのサイトを見て気になる物件があるんだけど、というのが一番多い問い合わせのパターンですね。

最近の移住希望者の流れとして、だいたい海と山がある地域とか、ざっくりした地域を決めていて、そこから家を探している方が多いです。

なので移住したいというよりは、住む家を探したいという人が多くいます。
コクリエは移住相談窓口と空き家バンク窓口を兼ねているので、空き家バンクから移住相談が入ってくる人が多いですね。

善田:あとは全国版の空き家バンクを見てくる人もいます。

朝日町の空き家バンクの特徴として、掲載している物件の数が豊富で価格が安い。この二つが大きな特徴です。

-空き家問題と持続可能な暮らしは大きく関連しているのかなと思うのですが、SDGsに絡んでいる業務内容はありますか。

善田:コクリエを設立した趣旨自体が「朝日町を起点にして、地域で暮らしたい人を支援する」なのでこれがSDGsにも当てはまりますよね。

コクリエの定款には

 富山県朝日町を起点に、地域に暮らす人々及び地域に関心がある人々に対して、移住定住の促進、関係人口の創出、地域振興、住環境などの整備に関する事業を行い、多様な価値観が共生し、誰もが希望や期待を感じられる持続可能な社会を共創する地域社会の実現に寄与することを目的とする。

と、記しています。

敢えてSDGsとは謳ってはいないけれど、コクリエの目的はSDGsと合致しているのかなという気もしますね。

-活動内容の中にある地域環境保全事業というのは何でしょうか。

善田:空き家の管理業務みたいなものを想定しています。
空き家の管理や、空き家の草刈り。空き家そのものが地域環境に対して負の影響を与えてしまうので。

-空き家が地域環境に悪影響を与えるとは具体的にどういったことでしょうか。

善田:空き家が犯罪の温床になったり、野生動物の住処になるとか。そういう意味で空き家が放置されると地域環境が悪化していきますよね。
あとはわかりやすい例で言うと、瓦が崩れてきて道に落ちてくることもあります。
空き家が増えることで、その地域自体の価値が下がってしまう
なので空き家の維持管理を適性にするのは、国としての課題でもあるんですよ。

-今後コクリエとして新たに取り組んでいきたいこと活動などはありますか。

善田:今は空き家バンクの運営をメインに行っているけれど、プラスアルファでこれからは自前で空き家を買って貸すとか、法人としての目的を達成するために必要と思われることをやっていこうとしています。

朝日町は空き家を手放したい人がたくさんいるけれど、貸したい人より売りたい人の方が多いんです。
さらに賃貸に関しては、貸したい空き家のオーナーさんよりも、借りたい人の方が多い。そこでまたミスマッチが起こっている。

売りたいオーナーさんと、借りたいユーザーさん。そこにミスマッチがあるから、その間をつなぐ役割を今後できていけたらいいなと思います。

今でも賃貸の物件を探したいっていう相談は山ほど来るけれど、賃貸物件は空き家バンクにはほとんど載っていないから。
そこの需要を満たせるようにしていきたいですね。

-そこから移住定住に繋がっていくと「住み続けられるまちづくり」の目標において大きな役割を果たすことになりますね!
お話を聞かせていただき、ありがとうございました。


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